麦の穂をゆらす風

シネカノン有楽町で『麦の穂をゆらす風』を観る。
カンヌでパルムドールを受賞した作品が、東京ではひっそりと上映されている。
舞台は、1920年代の独立戦争時代のアイルランド
『ライアンの娘』、『マイケル・コリンズ』、『フールズ・オブ・フォーチューン』と同じ時代背景。
この時代に限らず、1960年代の公民権運動以降の問題を扱った映画も宝の山だ。
クライング・ゲーム』、『ナッシング・パーソナル』、『キャル』、『父の祈りを
舞台はアメリカだが『ブローン・アウェイ』なんてのもあった。(ロイド・ブリッジスが名演!)

市井の人々の生活を慈愛に満ちた視線で描くのが得意なケン・ローチだけれど、一方では『大地と自由』、『カルラの歌』など自由のために戦う人をテーマにする作品もある。『麦の穂をゆらす風』は、後者に当る。
あっさり結論から言うと、まったく面白くない。こんな平凡な映画がパルムドールだなんて信じられない。
映画館で観た映画は全て面白いと思うと書いたけど、これは面白くなかった。まぁそうゆうこともあるさ。
ダンスパーティー、自転車、古い自動車、古いモーターサイクル、隊伍して高歌放吟する若者達、これだけ魅力的なオブジェを、ここまでつまんなく映した映画も珍しいんじゃないかと思った。
特にラスト。ポードリック・ディレーニーよ、モーターサイクルはもっと颯爽と乗れ!ロレンス大尉を見習んだ!

衣装はよかったのにねぇ。