映画と水を巡る冒険 下北半島〜上野

5日目にもなると、みなさんも飽きたでしょうが書いてるこちらはもっと飽きております。最終日です。
11月04日(火曜日)曇り。8時過ぎに宿を出る。湯野川温泉共同浴場跡を撮影。

飢餓海峡』撮影当時はここが共同浴場だった。映画ファンにとっては三内丸山遺跡にも匹敵する遺構である。


帰りは夕べの行程を逆に辿る。川内交通のバスで川内に到着。田名部行きのJRバスが来るまでの間、川内の町を散策する。

飢餓海峡』下北ロケのときに伴淳が泊まった旅館を発見。


JRバスに乗って田名部に到着したのが10時30分ごろ。この旅の重要な目的地のひとつ徳玄寺に向かう。この町で生まれた映画監督川島雄三のお墓がある。今回、青森に行くことにした最大の理由は川島監督のお墓に香華を手向けるためなのだ。
事前にお寺の場所は調べてあったんだけれど、初めての町でやっぱり方向がわからなくなってしまった。交番を見つけてお巡りさんに場所を尋ねると「あぁ、川島監督のお墓でしょ」と言われた。そのくらい訪れるファンが多いのだ!どーだ!チキショー興奮が抑えられないんだよ!
ちなみに、偶然入ったこの交番が今は亡き下北交通大畑線のかつての田名部駅前。予想もしなかった廃線跡とのめぐり合いに小生ちびりそうであります。

廃線跡と田名部駅ホームの跡。


交番でいただいた観光地図をたよりに徳玄寺に向かう。思ったよりもずいぶんと寂しいお寺だった。門前の花屋で花と線香を買ってお墓に供える。続いて敷地内にある川島雄三の碑へ。碑に供えてある花が枯れていたので、また花屋に行ってもう一束買ってきてしまった。

今平と森繁の筆による碑。ついにここまで来た。感激である。


さて目的は果たした。あとは東京に帰るだけ。田名部から下北駅まで歩きだすと雪混じりの風が吹いてきた。

駅舎は改装工事が始まっている。後ろに見える鉄骨が新しい駅舎になる様子。その前に来ることが出来てよかった。


駅に着くと強風のために下り列車が運休している。上り列車もバスでの代行運転の可能性が強いと言われた。ここで帰りの特急と新幹線の指定を1本繰り下げておく。なんとか定刻通りに発車したけれど徐行運転。しまいにゃ途中で止まっちまったよ。俺帰れるのかなぁ?30分ほど待ってようやく動き出すが、歩いてった方が早く着くんじゃないかっていうようなスピード。遅らせた列車にも間に合わないかもしれない。俺帰れるのかなぁ?
ちょうど前日の車中で目を見張った、陸奥横浜、吹越、有戸の区間を列車は徐行運転していく。車窓からの景色は素晴らしい。それはもう十分に伝わりました。もう結構です。お願いだから早く家に帰らせてください。
野辺地に着いたのが16時14分。スーパー白鳥26号が野辺地を発つのが16時14分。大湊線の接続を待ってくれたのでなんとかなったが、そのぶん八戸で新幹線への乗り継ぎが短くなってあわただしいったらない。

無事、新幹線のシートについてグッタリ。


馬鹿丁寧に1日ずつ書いてたら1週間もかかってしまった。もう先週のことじゃないか。帰った翌日から社会的には復帰できたけれど、疲れはずうっとひきずったままで週末には寝込んでしまった。もう旅になんか出たくない気分。すくなくとも今月は。