街には『もみの木』が流れている


仕事以外であまり人と会わない生活を送っているので、先週末は大勢の人と会ってエネルギーを使い果たしたのか、初対面の方々の放つエネルギーに打ちのめされたのか、とにかく今週はぐったりしていた。今月中に仕上げなければならない仕事もまったく捗らない。
友人と電話で『天然コケッコー』の感想を話しているときに、彼から「けなしている人は随分とけなしているよ」と聞いた。わざわざそんな意見をネットで探して読んでみた。「あまりにも淡々としている」とか「田舎を理想化しすぎ」とか、いかにもといったところだった。感じ方は人それぞれだし、否定的な意見にめくじらたてて長文書く気力も無いけれど。とりあえず、僕にとっては大切な映画が1本増えて、彼らにとっては金を返してほしい(あるいは借りたけどつまらなかった)映画が1本増えた。どちらが幸福かは言うまでも無い。
ここで、ついつい引き合いに出したくなったのが、ビル・フォーサイスの『ローカル・ヒーロー』と、パット・オコーナーの『ひと月の夏』。どちらも、魂が折れそうになったときに見返す大切な作品なんだけれど、同じように淡々とした演出で田舎が舞台だ。「田舎を理想化しすぎ」だって?おいおい我々は映画館に理想を見にいってるのではないのか?