ベンジャミン・バトン 数奇な人生

新宿ピカデリーデヴィッド・フィンチャー監督『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』を観た。
新しくなった新宿ピカデリーに初めて行ったんだけれど、なんで作品ごとにチケットカウンターが分かれてないんだ?ロビーが大混乱してるじゃないか。ブラピのせいですか。そうですか。
いつものとおり映像が素晴らしい。特殊メイクもすごかった。
メイクといえば、ジュリア・オーモンドの老けっぷりに愕然とした。メイク?
そして、ティルダ・スウィントン様の相も変らぬ美しさにうっとりとした。メイク?


前作の『ゾディアック』の時もそうだったんだけど、美術が素晴らしい。建築、小道具、風景。そのシーンを見ると何年代って一発でわかるような、あたかもその時代の空気をパックしたような絵になってる。こうゆうのを見るとアメリカ映画には適わんと思う。いちばん顕著なのが、アメリカらしくて車の形。タクシーの形で時代の変化がわかったりする。ヨットを戦後のアメリカの繁栄の時代に登場させている。まるでLIFEの表紙のような若い恋人たち。書いていて気がついたんだけど二人が最も幸せな時期って、アメリカの繁栄の時代に重なっているのかもね。ベンジャミンが出て行くのがベトナム戦争末期くらいのはずだから。
ベンジャミンが生まれたのが第一次大戦終結の日。それからアメリカはイギリスを凌ぐ大国になった。デイジーが亡くなったのはハリケーンカトリーナが上陸した年。アメリカの貧富の格差が世界中に報道された。
映画館を出たときには、こんなこと思いもつかなかったのに。