街道をゆく〜ツール・ド・ツルガ

またUPが遅れて、申しわけありません。
2日目の記述が、あまりにも長くなり、最後の行程を端折ったので補足します。
その後、関ヶ原から東海道本線で、米原まで行き、北陸本線に乗り換えて、敦賀で下車しました。
それでは3日目です。


24日、本日の旅程は、敦賀半島の海水浴場を巡りながら、岬の立石灯台まで。
しかし、立石までの公共機関は、海水浴シーズンでも、バスが1日に5便、それが終われば、1日に3本しかない。
タクシーを使えば、片道\6,000もかかる。ペーパードライバー歴十数年の俺には、レンタカーを運転する自信も無い。
そこで、朝、敦賀駅の観光案内所が開くと同時に、レンタルサイクルの申し込みをする。
「どちらの方面へお出かけですか?」と聞かれたが、ここで正直に「立石灯台まで」と答えたら、
「バッカじゃねーの?」と思われるだろうから、「氣比松原方面へ」と答えておいた。嘘ではでない。
さて、あたりまえの話だけれど、目の前にあるレンタルサイクルはただのママチャリだ。
まずサドルを上げる。すっぽ抜けた。後ろブレーキを握ろうとすると、ブレーキレバーが無い。
レバーの位置が下を向いてて握れない。これでは、整備不良で出走取り消しだ。
工具なんて持っていないから、ブラケットを手のひらで、ぶったたいて正常な位置に戻す。
ついでに前ブレーキも、ぶったたいて位置を調整する。


■プロローグ 敦賀駅敦賀
まずは、観光案内所がお勧めしてもいないコース。北陸本線貨物支線に沿って敦賀港駅へ。
関係者以外立ち入り禁止の構内を、ずんずんと進んで貨物車両を撮影。
その後、旧港を見学。岐阜を廻ってきたので、海がきもちいい。
舞鶴に比べると、ちょっと格は落ちるが、やはり港はいいものだねぇ。
昔はここから欧亜国際連絡列車でシベリア鉄道に乗れたんだなぁ。
続いて、観光案内所がお勧めしてもいない、古い家並みの残る通りを抜けて、氣比松原へ。
この家並みもいい。一軒一軒それぞれ左右に防火壁をせり出していて、とても絵になる。


■第一ステージ 氣比松原〜手の浦海岸
ここで、マシーンを紹介しよう。

チーム敦賀観光案内所、ゼッケン28。見るからに頼りないが、目標は後ろにかすむ敦賀半島だ。
距離はおよそ十数キロといったところか、ただしコースプロファイルは不明。
天気は快晴、食料を補給して出発。敦賀半島東岸の国道に入る。
弁天崎、沓海水浴場と、気絶しそうなほど美しい海岸線が続く。
しかし、コースは沓から手の浦にかけて、山岳ステージに突入。カテゴリー超級の峠が続く。
赤い悪魔のジイサンもいない。イタリア押ししてくれるおっさんもいない。ミネラルウォーターをかけてくれるファンもいない。
一人で、ゼーゼーハーハーとママチャリで登坂する。まったくバッカじゃねーのか。

天国のパンターニに応援を求める。頑張れ、もうすぐ峠の頂上だ。やった!ブラボー!マンマ・ミーオ!モルト・ボーレ!
峠を下ると見えてきたのが、念願の手の浦海水浴場だった。


今回の旅の最大の目的は、この手の浦の砂浜を見ることだった。WEBで偶然、この海水浴場の空撮写真を見て以来、絶対行って見たいと思っていた。
出発時の快晴も、ここまで来たら少し曇ってきたけれど、美しさは変わらない。

パウダーサンドの砂浜に、グリーンの海。日本海と言っても、若狭湾内なので印象は大きく異なる。
シーズンオフだけれど、スキューバのレッスンをする集団と、釣りに興じる家族連れが居る。それでも、とても静かだ。
しばらく、砂浜で自転車での疲れを癒した後に、人気の無い隣の浜まで岩場を伝いながら移動する。
砂浜に座って海を眺める。誰も居ない。大きな岩がぽつんと海から顔を出している。
本来は、ゆっくりとこの海岸をスケッチするはずだったんだけれど、厳しい峠越えの後で、
腕ががくがくして、スケッチもままならない、まぁいいや。このまま浜辺をながめていよう。

所詮、俺の画力で、この浜の美しさを絵にするなど不可能な話だ。
のんびりと海を眺め、近所の船着場をぶらぶらする。予定では立石灯台まで行くはずだけど、ここまでの行程でまだ半分。
まだ初日の養老天命反転地の疲れが残っているし。あの峠のことを考えると、ここで戻ったほうが良さそうだ。
機会があれば、次は、この先の色浜の民宿にでも泊まって、もう一度ここを訪れよう。
敦賀駅に戻って、マシーンを返却。こいつにとっては、ここまで酷使されたこともなかっただろうな。
駅の立ち喰いそばを流し込んで、福井行きの列車を待つ。やってきたのは、こんな顔。

まったく、旧国鉄車両は味わい深いなぁ。


途中、鯖江で途中下車。何故、鯖江なのか?鯖江の特産は眼鏡枠。国内シェアは実に96%にも及ぶ。
メガネッ子は、死ぬまでに一度は訪れなければならない聖地だ。って単に途中下車しただけなんだけどね。


鯖江から、すぐ次の北陸本線各駅に乗車。福井に到着。駅近くのビジネスホテルに投宿。
宵闇迫る福井を散策。城址が有り、市電が走る、なかなか味わいのある町だった。
駅前商店街も、大垣や敦賀と違って、それほどシャッター街化は進んでいない。


それにしても、体がおかしい。初日の養老天命反転地で真っ黒になってから、体のあちこちに湿疹が出始めた。
そのうえ、今日も汗だくになって自転車を漕ぎまくっている。心配になって福井の商店街で見つけた薬局に駆け込む。
薬剤師の主人にかぶれた両腕を見せると「これは汗疹のひどいのだね、急な日焼けも良くなかったんだね」と言われる。
湿疹用の薬と日焼け後のほてりを鎮める薬を買った。どうしよう?このまま旅を続けると悪化するかもなぁ…。
この先の宿や帰りの列車を予約している訳でもないし、明日で切り上げようか。ハヤカーは考えた。
つづく。