街道をゆく〜東尋坊、『鬼畜』の松

またUPが遅れてしまった。4日目です。


25日朝、薬を塗ったけど、湿疹治まらず。
いろいろ考えて、永平寺東尋坊のどちらかをキャンセルして、ここで旅を切り上げることにした。
今回の旅行は、後半のテーマが海を見ることなので、永平寺はあきらめることにする。


福井から、えちぜん鉄道三国芦原線に乗車。
事前に、えちぜん鉄道のサイトで、三国駅にレンタルサイクルがあることを調べていた。
自転車で、九頭竜川河口を眺めて、東尋坊〜入船〜三国駅とゆうルートはどうだ。って昨日の今日で懲りないな。
車内アテンダントなる女性に「三国駅で自転車借りられますよね?東尋坊まで、どのくらいかかります?」と聞いてみた。
「かなりアップダウンがありますし、お勧めしませんよ…」との答え。わかった。あきらめる。


三国駅に到着。京福バスに乗り換えて、東尋坊へ向かう。車窓から九頭竜川河口が見える。
ここまで来て、みすみす通り過ぎるとは、河口マニアとしては断腸の思いである。
バスは東尋坊に到着。時間が早いわりには、結構人がいる。あいつらが全員飛び込んだら見ものだな。
って、一人で来てる俺のほうが怪しいか。お誂え向きに雨まで降ってきた。
「いやぁ凄いねぇ、これならサスペンス劇場の犯人も自分の罪を白状するよな」
…なんだか、気のぬけた感想しか浮かばない。
やっぱり俺、いかにもな名所って所には、心が動かされないみたい。昨日の氣比の松原も飯喰っただけだものな。

もちろん、こんな怖いことやってません。


あ、あった!『救いの電話』!こうゆう方が断然面白いんだ。外から写真を撮る。扉を開けて中も撮る。
おまけにボックスの中の自分を携帯のカメラで自画撮りする。それをメールで友人に送る。
ついでに、誰かに電話掛けようかと思ったけど、この日はもう平日に入っているから、みんな仕事か…。
(家に帰ってから、この『救いの電話2番』が心霊写真で有名な電話ボックスだと知った)
岩場上の歩道を、雄島方面に歩き出す。なんか見たことあるような光景。
歩道の柵を越えて、近くまで行ってみる。

これって、野村芳太郎監督『鬼畜』の中で、緒形拳が子供を突き落とした所ではないか?
よし!『飢餓海峡』のアンヂァ島、『鬼畜』の東尋坊はクリアしたぞ。残るは『ゼロの焦点』の能登金剛だ。


一時間後の京福バスに乗って、三国駅に戻り、えちぜん鉄道で福井に戻る。
車窓から蕎麦の畑が見える。蕎麦の花がとても綺麗に咲いている。福井駅で立ち食いそばを食べる。越前そばうまい!
福井からサンダーバードに乗車(雷鳥に乗りたかったなぁ…)残念だけれど、東京に戻る。
乗車券は初乗り、特急券は富山まで。特に意図は無く清算すればいいやと思っただけだった。
電車は、石川県を通り過ぎた。高岡停車のアナウンスが流れる。途端にこのまま帰るのが悔しくなる。
養老、関ヶ原以外、自分で計画した旅は、鶴賀と東尋坊しかクリアしていないじゃないか。思い切って高岡で降りてしまった。


駅に近いビジネスホテルに部屋をとる。窓からは高岡の操車場が見下ろせる。これは嬉しい。
荷物を下ろして高岡の町へ繰り出す。ここも市電の走る味わい深い町だ。
夕暮れに映える金屋町千本格子の町並みが、とても美しい、思いもかけず素晴らしい時間帯に訪れることができた。

ビジネスホテルに戻ってから、部屋の窓を開けたままにしてみる。
高岡駅の構内アナウンス。走り出す電車の音。レールの軋る音が夜更けまで聞こえてくる。
遠くまで来たんだなぁ。