映画を愛していると言わせてほしい

昨日の『わが谷は緑なりき』に関するエントリーで、ちょっと言葉が足りなかったかなと感じたので補足します。
ラピュタ観るなら、ジョン・フォードも観ろ!」と言っているように読めなくもないような気がします。そういう意図はまったくありません。第一こういった言葉は、私がもっとも嫌うものです。前半部分で言いたかったのは、こういうことです。


どんな形であれ、映像を生業にしているのなら、自分が引用しようとしている作品が、どうゆう経緯で作られたのかを研究しなければなりません。それを怠ると、あなたの作る作品は単なる模倣にしかならないでしょう。簡単な話です。ラピュタだけを観て作った作品が、ラピュタより面白くなると思いますか?ウェルズやメルヴィルも読みましょう。だって、それがあなたの仕事じゃないですか。


映画を愛する一般人の我々としては、ジョン・フォードなんて考えないで、ラピュタを楽しめばいいのです。
ただ、これだけは言わせてください。「織田裕二主演の『椿三十郎』を観るなら、三船敏郎主演の『椿三十郎』を観ろ!」だって、お金もったいないもの。



今は無き『シティ・ロード』の1991年4月号。淀川さんのロングインタビューが載っています。私が死んだら蔵書は全部焼き捨ててもかまわない。この1冊だけを棺桶に入れてほしい。





淀川さんのように、自然に誰もが耳をかたむけるように、愛する映画を語れるようになりたいと思っています。